何度も夜中に目覚めてしまう、そして朝の早い時間に目が覚めてしまう、このようなことが多くなって、日中の生活に支障が出る高齢者は多数います。
これは、気のせいと考えてはいけません。
自分自身の睡眠の状態を良く知って、最適な対処法を行う必要があります。

最初に、睡眠とは何か、という事について、解説をしておきます。

睡眠は、脳、そして体が休んでいる状態のことを言います。
ひとが夜になると自然に眠たくなるのは、主に次の3つの要素によって、睡眠を調節しているためにおきます。

まず、体内時計のリズムです。

体内時計は私たちの体に備わっていて、「昼には活動をして、夜には眠る」という一定のリズムを繰り返しています。
このリズムは、体温、血圧やホルモンなどによって、およそ24時間の周期に調節されます。
これを「体内時計」といいます。
通常の人なら、朝の体温が上がる時に目が覚めて、そのあと14時間から16時間程度たつと、体温が下がることで眠気を起こすホルモンの分泌が起こり、眠くなります。

この、体内時計のリズムが壊れてしまうと、夜眠れなくなったり早朝に目覚めたりします。

次の要素は、睡眠の要求についてです。
これは、脳と体が睡眠を求める時の強さです。
睡眠不足のとき、そして体が疲れている場合には、脳と体が休むことを求め、睡眠の欲求が高まります。

最後の要素は、リラックス度です。
これは、眠っているときにどれくらい脳、そして体がリラックスしているか、ということで、緊張していたりなど、リラックスできない状態の睡眠の場合には、眠りの質が悪くなってしまいます。

一つの参考として、質の高い眠りのために、トゥルースリーパーという低反発のマットレスも多く利用されているようです。
質の高い睡眠をするためには、この3つの要素が満たされていることが必要です。

これが乱れた時に、不眠症の原因となってしまいます。

不眠症について
睡眠に問題を抱えていて、日中の間の疲れた感じ、集中できない、体調や気分がすぐれない、といった症状が出る状態を、不眠症といいます。

この不眠症が長く続くと、うつ病などを発症しやすくなったり、さらには高血圧や糖尿病などにもなりやすいのです。

もともとこの症状を持っている方の場合には、さらにそれが悪化をする危険も高まります。

不眠の症状が長期間続くような場合、精神科などを受診して、きちんと治療をするべきです。

この不眠症には主に3つのタイプに分かれます。
それぞれのタイプ別に、対処の方法も違います。
眠ろうとしても寝つきが悪い場合
入眠障害という、寝つきが悪くなる症状を改善するには、どうすればいいのでしょうか。
夜中に何度も目覚めてしまうタイプ
夜中に何回も目が覚めてしまうのが、中途覚醒と呼ばれる症状です。
早朝に目が覚めてしまう場合
年配の方に多く見られるのが、朝の早い時間に目が覚めてしまう、早朝覚醒という症状です。