体内時計のずれで起こる「概日リズム睡眠障害」
体内時計が持っているリズムを、概日リズムといい、これがずれることによって起こる障害です。
若者の場合
年配の方では、体内時計が前にずれることが多くなりますが、若い人の場合には、後ろにずれることが多くなっています。
正常な体内時計を持っている人の場合、朝の6時を過ぎれば体温が上がり始めて、夕方になれば下がります。
概日リズム睡眠障害で、後ろに体内時計がずれるタイプの場合には、朝、体温が上がる時間帯が正常な人と比べて遅くなります。
この障害の症状は、若い年代では午前中に眠気が起きる場合が多く、その主な原因は夜更かしをしたり、それが原因で朝寝坊したりすることで、体内時計が後ろにずれてしまうことです。
朝が来ても体内時計が目覚めるタイミングではないために、朝目覚めることができなかったり、昼間に眠くなって思うように活動できなくなったりします。
また、朝だけではなく夜についても、体内時計が眠る時間帯と認識していないために、眠くならなかったり、眠れない状態になります。
これは、時差ぼけと同じ状態になっています。
この障害の対処法ですが、朝起きる時間を少しずつ早くしていきます。
こうして、体内時計のずれを徐々に前に戻します。
また、体内時計は、朝日を浴びることによって正しくリセットされます。
身体が持っているこの仕組みをうまく利用して、少しでも早めに起きて朝日を浴びる、ということを習慣にしてください。
例えば一時間だけでも早く起きる、ということをしばらく続けていくと、夜に眠くなってくる時間についても、1時間早くすることができるようになります。
ただ、実践している途中で遅くまで寝てしまう日があれば、せっかく正しくなった体内時計がずれてしまいます。
理想は、毎日決まった時間に起きることです。
ちなみに、夜勤の仕事をされている場合、仕事が終了して眠りに入るときに太陽の光を浴びてしまうと、眠れないことがあります。
夜勤の人が質の高い睡眠になるべく近付けるためには、仕事が終わった朝などはサングラスをかけたりして、太陽の光が目になるべく入ってこないようにする工夫が必要です。
また、部屋の中でも、睡眠に入るまでは日光や照明の光をなるべく避けましょう。
ただ、環境を整えたとしても、夜勤の方が熟睡することは難しいものです。
途中で仮眠をしたり、休みにはしっかり休息するなど、うまくこなす事が必要です。